フランス、ボルドー(Bordeaux)周辺で6年で6000台のタイヤをパンクさせた「連続タイヤ切り裂き魔」の無職の男(45)が11月29日、ついに、逮捕された。
なぜ、連続してパンクさせることに成功したのか、また、逮捕の至る出来事など調べてみようう。
2011年から6年間にわたり、約6000台の車のタイヤを切り裂くという事件が、フランスのボルドーで発生。
2014年から同一犯と認定し、フランス警察は犯人逮捕に全力を尽くすが、証拠を残さない計画的な犯行を続ける犯人を割り出すことができないでいた。
犯行は夜間に行われ、一晩で最大70個のタイヤを切り裂いたこともあるらしい。
その犯人がついに、2017年11月、逮捕されることに。
パンクさせると、大きな音がなることもあるし、市街地なので防犯カメラに映ることもある。
6年間で6000台というと、1年で1000台。
毎日、犯行を重ねたとして、1日に3台。
3日に1日の割合での犯行なら、1日で10台パンクさせることに。
これほどの犯行をばれないようにやり続けるには、どうしていたのか?
犯人は銀行強盗並みの綿密な計画をたてていたようだ。
防犯カメラの位置を細かく、チェックし、ノートに記録。
また、ノートを他人に見られた場合も想定し、暗号を使用するほど、慎重な性格で、証拠を残らないようにしていた。
また、穴をあける道具は靴の修理に使うものを使用。
出典;靴作りの道具
犯行時刻をごまかすため、ゆっくり空気が抜けるようにタイヤに刺していた模様。
大きな音も鳴らず、誰にも気づかれない。
犯行時刻は夜の2時から5時。(犯行後、始発の電車で帰宅。)
市民が寝静まった頃に犯行を繰り返す。
現場にDNAも残さず、防犯カメラにも映らない。
さらに、場所も無作為に選ぶため、警察のマークを絞りにくくしていた。
タイヤをパンクさせられたという苦情が警察に約1100件寄せられていた。
中には6回も被害に遭った人もいた。
ボルドー市民の怒り、不安も頂点に達していただろう。
そんなある日、ある住民が、怪しい男の写真を撮影。
この写真をもとに、警察は29日午前2時ごろ、犯行に出かけようとした男を逮捕。
夜中に、穴をあける靴の修理道具を持った男って、犯人以外にいませんよね。
男はすぐに自分が犯人だと認めたようだ。
6000台の車の被害。
1台1本の計算で考えてみる。
タイヤもピンからキリまであるが、部品代だけで、仮に1本1万5千円と安く見積もると、
1.5万円×6000=9千万円。
修理工賃、レッカー代金など考えると、もっと増える。
一億2千万円から一億5千万円になるのでは。
ボルドーといえば、ワインで有名ですね。
4月末に霜が発生し、ボルドーワインが大被害を受けた。
その被害額は約1237億円から2474億円。
この数字も凄すぎだが、これはあくまで、自然災害によるもの。
タイヤ切り裂き魔は、人の犯した犯罪で、単独犯。
この被害、大きすぎますよね。
この犯人、裁判では、私有財産を故意に損傷させた罪で最大で禁錮2年、さらに、罰金30万ユーロ(約4000万円)を言い渡される可能性があるようだ。
世界には、とんでもない犯行をするツワモノがいるようだ。
犯行に至るきっかけは、子どもの頃に受けた虐待が原因で、社会に対する激しい怒りとのこと。
虐待やこのような悪質な犯罪がなくなることを祈るばかりですね。