東京医大の女子一律減点の話題が拡散してやみそうにありません。
この渦中の東京医大の今後はどうなるのでしょうか?
この大学に未来はあるのでしょうか?
SNS批判、裁判、補助金停止など様々な問題を調査しました。
事件の概要
東京医科大(東京)が今年2月に行った医学部医学科の一般入試で、女子受験者の得点を一律に減点し、合格者数を抑えていたことが関係者の話でわかった。女子だけに不利な操作は、受験者側に一切の説明がないまま2011年頃から続いていた。大学の一般入試で性別を対象とした恣意(しい)的な操作が明らかになるのは極めて異例で、議論を呼びそうだ。
引用;読売新聞
さらに、その詳細を数字でみてみると、
今年2月に行われた医学部医学科の一般入試は、男子1596人、女子1018人が受験し、一次試験の合格者数が出そろった段階で、女子の受験者の得点を一律1割から2割ほど減点したという。
その結果、二次試験に進んだ男子は303人、女子は148人で、最終合格者は男子141人に対し、女子はわずか30人だった。
引用;FNN
そして、この報道がなされてから、様々な動きがみられ、そのほとんどが東京医大を糾弾するものばかりです。
唯一、一定の理解を示すものは、田母神俊雄氏のみです。
では、東京医大に未来はあるのかについて、まとめていきましょう。
厳しい未来!
SNSで批判拡大
〇東京医大を受験して失敗した経験のあるSKE48の矢作有紀奈が2日、自身のツイッターにコメントを投稿。
私も医師を目指していただけに悲しい😢💋年前にこの大学を受験したんです…
1点引かれてたのかあ…女子減点 合格3割前後に調整 2018年8月2日 https://t.co/G40dnO9j7j
— 矢作 有紀奈🍬💕(SKE48) (@dental_ske48) 2018年8月2日
〇「#私たちは怒っていい」で批判拡散!
怒りや批判の投稿がツイッターに続々と上がっている。
ツイッターは「#」を付けた単語をハッシュタグと呼び、これを付けて投稿すると、キーワードとして検索や閲覧がしやすくなる。
「#私たちは女性差別に怒っていい」「#ふざけんな」などのハッシュタグが3日になって目立ち始めた。
〇作家の北原みのりさん(47)らが、ツイッターなどで抗議活動を呼びかける。
北原さんは「受験をしたことがある人であれば、どんな思いで勉強してきたか分かるはず。こんな差別は許してはならない」と訴えた。
抗議活動が行われる
SNSの影響からついに、8月3日約100人が抗議活動に参加。
約100人が3日夕、東京都新宿区の同大前で抗議行動をした。参加者たちは「女性差別を許さない」「大学入試を公正にやれ」と書かれた紙を手に、「説明しろ」「許さない」と声を上げた。
出典;朝日新聞デジタル
不合格になった元受験生からの賠償請求?
女子であることで、「不正操作」により不合格となったとして元女子受験生が東京医大の法的責任を追及することはできるのでしょうか?
教育問題に詳しい高島惇弁護士による記事を引用します。
ーー東京医大への合格を目指して、多くの時間と費用をかけた受験生の損害はどう考えられますか
「損害について、受験料や不合格後浪人中の予備校費用は、不合格と相当な因果関係があるとして問題なく請求できると思います。また、入学機会を失ったことによる精神的苦痛に関する慰謝料についても、一定程度認められるのが通常です。
これに対し、仮にその後医師になれなかった場合、生涯収入に関する逸失利益を損害として認めるかどうかは、入学後中退する可能性や国家試験の合格率を考慮すると、争いが生じるものと思います。もっとも、女子は男子よりも国家試験の合格率が高いといった統計上のデータを重ねることで、一定程度、相当因果関係が認められる余地はあるかと存じます」引用;弁護士ドットコム
別の弁護士の若狭勝氏のコメントによるとは、憲法違反のようです。
「私大とはいえ、大学は公的な組織です。国民は法の下ですべて平等と定める憲法14条1項に違反する」と指摘する。「訴訟すれば十分闘えるし、少なくとも受験料の返金は可能」と話す。
引用;j-cast.com
結論から言うと、請求できるし、裁判をした場合、ある程度、元受験生が勝訴することが考えられるようです。
国からの税金を切って
東京医大に対しては、税金を原資とする多額の補助金が毎年交付されています。
直近の2017年度の交付額は23億円(大学別で25位)にもなります。
国民感情として、文科省と手を組んで、裏口入学の問題、そして、今度の女性差別の問題で、悪質タックルの日大と同様に最も印象の悪い大学です。
こんな大学に国民の税金を払うことに誰が賛成するのでしょうか?
今、SNSなどで、補助金を切る動きが加速してきています。
実際にカットすることはあり得るのかを調べてみると、
補助金は、大学が問題を起こせばカットされる可能性もある。
補助金の取扱要領によると、状況に応じて10%、25%、50%、75%さらには全額カットする場合がある。
減額または全額不交付となるのは、学校経営に関する刑事事件で役員または教職員が逮捕・起訴されたり、管理運営が適性を欠く場合(私立学校振興助成法5条5号)などとされている。
なお、上位3校は
(1)早大=約92億円(2)日大=約91億円(3)慶應義塾大学=約90億円引用;弁護士ドットコム
今回伝えられた「不正操作」の全容はまだわからないが、補助金の大幅カットもあるかもしれませんね。
以上からかなり厳しい未来が待ち受けています。
そして、何よりも大学関係者の危機管理能力のなさが問題です。
大学で入試業務に携わっていた元幹部が、「不正という認識はなかった」と話しているのにあきれます。
詳細は
入試業務に携わっていた東京医大元幹部が取材に応じ、「どこの医大でもやっている。不正という認識はなかった」と話しました。その上で、「体力的にきつく、女性は外科医にならないし、へき地医療に行きたがらない。入試を普通にやると女性が多くなってしまう。単なる性差別の問題ではなく、日本の医学の将来に関わる問題だ」と述べました。
引用;JNN
田母神俊雄氏の意見
今回、唯一、東京医大に一定の理解を示したのが、田母神俊雄氏です。
田母神俊雄氏は8月3日、Twitterで「批判一辺倒であるが、そういう考え方もあるのは当然だ」と擁護した。
東京医大で女子の受験者に対して減点するとかの不正があった。女子は結婚、出産により離職するケースがあるので系列病院の医師不足を回避することが狙いだという。これに対し批判一辺倒であるが、そういう考え方もあるのは当然だ。試験の点数通りにすることだけが国民を幸福にすることはないからだ
— 田母神俊雄 (@toshio_tamogami) 2018年8月2日
社員を募集する時に男性社員だけ、女性社員だけとは言えないそうだ。男女の差別につながるという。しかし現実には男性だけ、あるいは女性だけしか採用しないことは多い。ならば初めからそういう募集ができるようにしたらよい。政府の逃げが社会を混乱させている典型だ。問題回避症候群という病気だ。
— 田母神俊雄 (@toshio_tamogami) 2018年8月2日
このツイートに対して、返信の内容は
「黙って不正したら詐欺じゃないですか?」「未来ある女性の夢を潰していますけどね。間違いなく一部の国民が不幸になっていますけどね」との返信が相次いでいる。
ネットの反応
日大アメフトも奈良判定のボクシングも東京医大の女子一律減点も
カケ獣医学部も結局、誰が被害者って
夢見て必死で頑張ってる子供達だよね汚い大人の利権や権力の私物化を見て
子供達は、ちゃんと反面教師としてくれるだろーか😞
未来を担う次世代が潰れる前に
責任取って各トップは即刻消えてくれ— みゆき (@m1238s) 2018年8月2日
東京医大の女子受験生だけ一律減点の件は、学校は受験生に事前にそれを知らせずに勝手にやったわけで、それを知っていたら女子受験生は受験しなかった人も相当数いたと思う。その意味で、受験料の詐取と言える。警察は、不正な得点操作に関わった人を全員刑事事件として立件すべき。
— 弁護士大西洋一 (@o2441) 2018年8月3日
男性は進学機会においても下駄履かせてもらってる、ってのは「親の教育投資の男女差」とか「進路指導や授業における教師のジェンダーバイアス」とかの話してたはずなのに、何だよ「入試で女子だけ一律減点してました」って。正真正銘の下駄すぎてビビるわ。
— 前川直哉 (@maekawa_naoya) 2018年8月2日
東京医科大学の女子受験者の一律減点について、「詐欺、消費者被害」「性差別の問題にする必要はない」みたいなのをチラホラ見かけたんだけど、確かに詐欺、消費者被害って側面はあるけど、まず超ド級の性差別であって、これが「許されない性差別だ」とはっきりさせられないなら、そのことに絶望する。
— ladybug(てんとうむし) (@ladybug66890347) 2018年8月2日
さすがに東京医大の女性一律減点は頭おかしいですね。離職しちゃうからっていう理由より、「男の既得権を犯す有能な女性を排除しなければ」という意識が強い気はします。これは人類共通の病理です。男は権威がないと不安で死ぬんです。アホかと。
— しょーい (@shoi168) 2018年8月2日
自分の娘が一生懸命受験勉強して、希望の大学にあと少しの点数で合格できず泣いているとき、不合格が女性であることを理由とした一律減点によるものでも「男に生まれなかったから落ちても仕方ないね」と思える親っているんだろうか。
— 過食弁護士 (@juntaba1) 2018年8月2日
東京医大の女子への一律減点がいけない、と皆さん思っていますが、それは「受験要項に明記していない」から問題なのです
そこで、国立和歌山高専の昨年度の受験要項を見てみましょう。なんと女性優遇をしているんです。やるならきっちり明記する、私立でも当然するべきです pic.twitter.com/KHmUPuLqVZ— つも (@tumo_kosen) 2018年8月2日
21世紀の先進国(のはず)で、まさかこんなあからさまな差別に遭遇するとは。女に生まれたというだけで、もっとも公正なはずの試験の点数で一律差別されるなんて。外国人だから一律減点とか、ユダヤ人だから一律減点とか、そういうレベル。信じられない。 #ふざけんな #私たちは女性差別に怒っていい
— tamic (@tamic53) 2018年8月2日
この問題は本当に根が深い問題ですね。